役員挨拶
日本歯科医学会連合の政策連携渉外委員会
松村 英雄(日本大学歯学部 教授)
現在,日本歯科医学会連合には11常置委員会と7臨時委員会等が設置され,学会集合体組織において法人として執行すべき業務を主に担当しております。常置委員会の一つに政策連携渉外委員会があり,以下の項目を所掌としています。
(1) 横断的研究の推進についての対外的折衝
(2) 研究成果の発表等についての対外的折衝
(3) 歯科医学ビジョンの策定と提言についての対外的折衝
(4) 歯科医療ビジョンの策定と提言についての対外的折衝
(5) 歯科医療の諸問題の検討と当法人としての意見集約
(6) 歯科医療制度,歯科医療問題に関して関係諸機関との連絡調整
(7) その他,当法人の目的達成に必要な事業についての対外的折衝
このたびは,以上のうち,医療問題関連事業について紹介させていただきます。この事業は,会員学会に対して保険医療技術,医療機器の保険適用等に関連するテーマについて,資料収集と並行して総説等の英文論文を作成いただくプロジェクトです。成果報告の一部は日本歯科医学会との連携事業として,同学会機関誌の一つであるJapanese Dental Science Review (Jpn Dent Sci Rev, JDSR) に掲載していただいております。
当法人の事務室はJDSRを編集する歯科医師会館の近くにありますが,両団体とも東側にはDMJビル,西側にはJPRビルが存在し,そのプレッシャーから学会のJDSR担当は地下鉄のホームを挟みつつ長年夜も眠れない日々を過ごしてきた由伺っております。今年は幸いJDSRが各種データベースに収載され,これからは3誌を含めた多くの会員学会機関誌が多方面で連携できるのではないかと推測しております。以上のような例の連携,情報交換なども委員会連携事業の一つです。
一方,政策連携渉外委員会所掌のワーキンググループ(WG)として,2020年に専門歯科技工士制度検討WGが設置されました。このWGにおいては,専門歯科技工士とは何か?を命題として,関係諸団体間の連携を支援しているところです。一例として,公益社団法人日本歯科技工士会(日技)における生涯研修と,一般社団法人日本歯科技工学会(当法人賛助会員)の専門歯科技工士研修会との接点を模索し,歯科技工士の専門性維持向上に資する事業が展開できることを目標としています。
事務室の近くには,一口坂という坂道がありますが,なんと「ひとくちざか」の他に「いもあらいざか」という「読み」もあるそうです。老舗の肉屋さんには出来立て「一口かつ」と「コロッケ」が並び,そういうことなのか,この店は...と一人で納得しておりました。ところがある日,「何言ってんだいおじさん,イモはあばた,皮膚病のことだよ。それをあらう水場のことさ」,「寅さんの映画にも出てくるだろう,四ツ谷,赤坂,麹町,チャラチャラ流れるお茶の水って」と,地元の「江戸っ子」に教えていただきました。これからも,一口坂の対岸に位置する日技とはさらに連携を深めてまいります。
令和3年11月1日